終末なにしてますか？ もう一度だけ、会えますか？#08 (角川スニーカー文庫)

この物語の客観的な良さを説明しにくいです。物語としては、フェオドールの反逆が終わり、その結末からこの浮遊世界の終わりにむけて新たな章スタートというところで、オデットの真意とかもわかります。今回は誰が中心とも言えず、色々な視点が錯綜している感じです。新しい章の開始ということでか、前に隠されてた謎や登場人物の思惑がわかったりします。けっこう大きい事件を解決しているはずなのですが、世界が滅ぶという前にたいしたことないような印象を受けてしまいます。いろんな問題が山積みで、それをどうしていくかという話で続きます。物語が淡々としているので、わかりやすい「熱量」がないので、ライトノベルとして優秀かといわれるとうーん？て感じなんですが。多くの登場人物がいて、それぞれが主役という感じで、キャラクターより世界を描いている印象です。この作品、「終末」を題材にしているせいか、登場人物、世界がロー・テンションというか枯れているんですよね。どこかあきらめているというか、抗ってはいるけど破滅を受け入れているというか、そういう空気のせいか、私にうまく評価できない作品ですね。私の物語の高評価ポイントは「燃え」があるかが重要なので。でもなにか抗えない魅力ある感じで、世界の空気感がささる人にはささるという作品でしょうか。アニメがその空気感をうまくだしていました。なので、あわない人には本当にあわないと思うので、人にはすすめにくい。私はフェオドールとティアット好きだから、幸せになって欲しいのだけど。才能とかはないけど、強い想いのために無茶して頑張る姿が応援したくなる二人だったから。